十年前の実験失敗の影響で、終末思想が蔓延(まんえん)する街。
運命の日へのカウントダウンが続く中、大切な人との愛(いと)しい日々を守ろうとする人々を描く。
ともに生きよう。たとえ世界が終わるとしても。
十年前、地下プラントで、ある実験が失敗、世界を滅ぼしうる物質を生み出してしまう。漏出(ろうしゅつ)は食い止めたものの、そのとき壁に謎の数字が浮上、日々、数を減じるそれは、世界が終わるまでのカウントダウンと噂(うわさ)されるようになった。やがて数字がゼロに近づき、街に終末思想が蔓延する中、それでも住民は家族や愛する人との平穏な日々を送っていた。一方、実験に関わった二つの組織、「供給公社」と「管理局」は再び漏出の危機が高まった物質を鎮静化させるため、鍵(かぎ)となる人物・ハルカを奪い合い、対立を深めていた。その争いに、愛(いと)しい日々を守りたいと願う人々も加わって……。