第三の“竹内ノート”を求めて、男はルソン島へー
戦没詩人、山下財宝、山岳民族、イスラム独立闘争…
空っぽな日本人はそこで何を見たのか
注目の才能ミヤウチの、これが決定版。
またしても展開予測不能の冒険小説!
戦死した若き詩人が見晴るかし、残したものとはー
ぼくは、ぼくの手で、戰爭を、 ぼくの戰爭がかきたいーーそう書き残し、激戦地ルソ
ン島で戦死した詩人・竹内浩三。彼は何を見、何を描いたのか?テレビディレク
ターの職を捨て単身フィリピンに渡った須藤は、その足跡を辿りはじめた。だがそ
の矢先、謎の西洋人男女に襲われ、山岳民族イフガオの娘ナイマに救われる。か
つて蹂躙された記憶を引き継ぎ日本人への反感を隠さないナイマだが、昔の恋人
ハサンの実家を訪ねる道行きに、付添いとして須藤を伴うことに。ミンダナオ島独
立のために闘ったイスラム一族の家で一時の休息を得た須藤だったが、ハサンの
家は秘密を抱えていた…。