今もっとも注目される俊英が贈るAI×青春小説
書けなくなった高校生小説家・綴喜(つづき)に届いた『レミントン・プロジェクト』への招待状……
それは、元・天才を再教育し、蘇らせる国家計画ーー
「才能を失っても、生きていていいですか?」
自分の消費期限は、もう切れているのかーー
小学生でデビューし、天才の名をほしいままにしていた小説家・綴喜文彰(つづきふみあき)は、ある事件をきっ
かけに新作を発表出来なくなっていた。孤独と焦りに押し潰されそうになりながら迎えた高校
三年生の春、綴喜は『レミントン・プロジェクト』に招待される。それは若き天才を集め交流
を図る十一日間のプロジェクトだった。「また傑作を書けるようになる」という言葉に参加を決
める綴喜。そして向かった山中の施設には料理人、ヴァイオリニスト、映画監督、日本画家、棋
士の、若き五人の天才たちがいた。やがて、参加者たちにプロジェクトの真の目的が明かされる。
招かれた全員が世間から見放された元・天才であること。このプロジェクトが人工知能「レミ
ントン」とのセッションを通じた、自分たちの「リサイクル計画」であることをーー。