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愚か者の島
フリムンノシマ
著者名 乾 緑郎

在庫あり

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ISBNコード 9784396636029
判型/頁 四六判ハード/392頁
価格 1,980円(税込)
発売日 2021/01/08

ここには、人を狂わせる何かが、あるーー
南の孤島で事情(ワケ)ありの男女が出会うとき、〈ふれもの〉になるのは誰だ!?


自然主義(ナチュラリズム)に傾倒し、原始的な二人きりの生活を夢見る不倫カップル、
息子を引きこもりから脱却させるため、全てを捨ててきた教師一家。ある野望
を胸に、島の買収を画策する女社長と従者。
ーーーそして、恋人を殺して逃げてきた男子大学生。


何でこの島が〈フリムン島〉と呼ばれているのか知ってるかい?ーーー

独自の自然主義に染まった元医師・土岐周一郎(ときしゅういちろう)と不倫相手の北郷咲良(きたざとさくら)
は、家族も仕事も擲(なげうっ)て、沖縄の遥か南に位置する無人の〈フリムン島〉にやって来た。
新たな人生の幕開けに高揚する二人はしかし、そこに先住者が潜むことを知らなかった。
恋人を殺し逃亡の果て、島に辿り着いた苅部公則(かるべきみのり)。警察沙汰を恐れる公則は、理想に
囚(とら)われた無知な二人が来て早々いがみ合いを始めるのを見て、仕方なく助けの手を差し伸べた。
正体を偽る公則と二人の奇妙な共棲はうまく運ぶかに見えた……。だが、土岐に感化された親子、島ごと
VIP向け宿泊施設にする野望の女社長らが、相次いで上陸。やがて島は、人間のエゴと憎しみがぶつかり合う
“愚か者の島”と化していくーー。