作者イチ押しの痛快シリーズ、最新刊!
長屋の桶職人の最期の願いを叶えるため、時季外れのクリを手に入れろ!
深川一の疾風駕籠(はやてかご)の二人が希望を信じて、江戸の町を
奔(はし)る、奔る!
くじけるな。やり直しができるのが、ひとの生涯。
鉄蔵という男は、まこと桜だった。
あんたや番頭のような口先だけで世渡りする手合いが、近頃は
大路の真ん中を大きな顔で跋扈(ばっこ)している。
鉄蔵も新太郎も尚平も、大口とは縁がない男だ。
口数は少ないが、引き受けたことは命がけでこなして生きている。
大きな男は深川の誇りだが、それは身体を張ってひとのために
尽くせる男のことだ。
見てくれだけの男はこの土地には無用だ……。
(本文より抜粋)