歴史に埋もれた智勇兼備の名将の一生を描く!
七百以上の城を陥し「神人」と畏怖された不敗の男。
「海に沈む夕日を見たいーー」モンゴル軍を率いた漢人武将は、たった一つの夢を
叶えるために地の涯を目指す
中国史上ただひとり、陸路で地中海に達した武将がいた。男の名は郭侃(かくかん)。
祖父の代からモンゴルに仕え、攻城戦と砲術に長けた漢人だった。
1253年モンゴル帝国は、イスラム世界の征服とさらなる領土拡大のため
「フラグの大西征」を開始。37歳の郭侃は、15万の蒙古軍部隊長として
西方遠征の途についた。新兵器「回回砲」をひっさげ、瞬く間に各地を
陥落させる。だがエジプトを前に、隻眼の猛将バイバルスが立ちはだかり……。