鹿島 茂氏 推薦!
――これは現代版『レ・ミゼラブル』である。
“ボッシュ〈ドイツ野郎〉”の子として蔑(さげす)まれながら戦後を生き抜いた
一人の女性が語るフランス戦後史の真実!
ドイツ人兵士とフランス人女性の間に生まれたという事実。それは、沈黙によって隠蔽(いんぺい)され、耐えがたい精神的苦悩となって、生涯つきまとってきた。その事実は今日、しゃぼん玉が弾(はじ)けるように、白日のもとに炸裂しようとしている。恐怖でしかなかった世界大戦のなかにも恋の物語があったのだ。その証拠が、今日生きているわたしたち20万人である。
―――――あとがきより
<現代版『レ・ミゼラブル』の物語――鹿島 茂>
フランス人にとって、ナチス占領時代は忌(い)まわしい古傷のようなものだ。
できるなら忘れてしまいたい。だが、古傷は痛み、時に出血する。
その血に当たるのが「ボッシュ(ドイツ野郎)の子」として蔑まれながら
戦後を生き抜いた20万人の子供たちだ。「ボッシュの子」の一人が語るフランス戦後史は、現代版『レ・ミゼラブル』として読むことができる。
20世紀のコゼットに、はたして幸せは来るのだろうか?