東京裁判却下資料――連合国側にとって
「明かされては困る真実」とは何だったのか?!
小堀桂一郎氏推薦!
『紫禁城の黄昏』と並ぶ
重要文献、初の全訳!
1917年2月、上海に上陸した著者は、
以来25年、その地で英字紙編集長の職にあって、
さまざまなシナの歴史的事件に立ち会い記録してきた。
その立場は「親中反日」で貫かれているにもかかわらず、
東京裁判の弁護団は、
この著書の抜粋を弁護側資料として提出し、
裁判所はこれを却下した。
連合国側が明らかにされたくなかった真実とは何なのか――。
刊行から63年、本邦初の完全訳、待望の刊行。
『紫禁城の黄昏』と並ぶ意義ある出版
〈推薦の辞〉小堀桂一郎
東京裁判法廷での審理が辯護(べんご)側立證の段階に入ったところで、辯護団は本書からの抜萃(ばっすい)を提出することを試みている。然(しか)しそれらは、さまざまな理由を付けて、次々と却下されて行った。却下理由の中には、訴追国二国にとっての不快な言辞を弄してゐる、などという感情的判定もあった。二国とは言ふまでもなく当時の中華民国とソ連である。
『紫禁城の黄昏』と並ぶ価値を有する本書は、特に西安(せいあん)事件から国共合作にかけての運命的大転換を、現地に居て観察し記録した実に貴重な証言である。所謂(いわゆる)戦間期の二十五年に於ける支那大陸の政治と社会の実相を、行間から入念に読み出すことのできる好個の史料として、此書(このしょ)を広く世の読書人諸氏に推薦したいと思ふ。