西安事件から国共合作へ――歴史の運命的大変換を現地で観察し記録した貴重この上ない証言、本邦初の完全訳
東京裁判が封印した歴史の真実
日本をシナとの戦争に巻き込んだ黒幕とは!?
1931年の満州事変勃発以来、北満州、内モンゴル地域は日本・ソ連・シナの緊張関係がにわかに高まっていた。
そんなさなか、1936年12月、西安を訪れた蒋介石は突然、張学良によって逮捕・監禁される。緊迫する解放交渉と事件の真相。やがて盧溝橋事件、つづく上海における中国機爆撃事件の惨禍。
「反日」的視点を保ちつつも、
ジャーナリストとしての冷静な視点をも見失わない著者の筆致は、
現場にいた者だけが持ちうる緊迫感をもって、読者を引きつけてやまない。
東京裁判却下資料を知る意義
〈監修のことば〉渡部昇一
東京裁判で却下された文書を知ることは、直ちに日本の近代史に対する見方を正常にすること、ひいては日本の歴史に対する自信と愛情につながる。
中山氏の本訳書につけられた注釈は実に詳細であり、教えられるところが多い。注釈を読みながら本書を読むと、パウエルの体験した第一次欧州大戦末期から大東亜戦争に至るまでのシナ大陸の状況をパウエルとともに、しかもパウエルの偏見を修正しつつ追体験することができる。
これは中山氏が先に訳された『紫禁城の黄昏』に続く重要なお仕事であった。