これで、時間旅行(タイムトラベル)は可能だ
世界中が認めた「実用的なタイム・マシン」は、
いかに生み出されたのか
スパイク・リー監督
映画化権獲得の原作
私の使命、それはタイム・マシンをつくり、タイム・トラベルを可能にすることだ。
ついに、その時がやってきた。
これまでずっとあたためてきた「夢の実現」に向けた構想を、この国際会議の出席者、すなわち世界をリードする50人あまりの物理学者たちの前で、つまびらかにするつもりだ。
スクリーンに最終解を示し、私は、まったく新しい方法で空間と時間とを操作できること、それによって過去へのタイム・トラベルが可能になるだろうと述べた。
万感の思いがこみ上げてきた。11歳のころから目指してきた私の夢、そして私自身、「長い道のり」を――
よくぞここまできたものだ。
(プロローグより)
「世界初の発見」以上の感動があった――竹内 薫
本書を読み終えて、いくつもの感動を味わった。
まず、アインシュタインの重力場の方程式において、レーザーの影響を考慮すると、時空が歪んで、しまいには過去と未来が「くっつく」ことに驚かされた。これまでにも宇宙ひもやワームホールといった、存在するかどうかわからない架空の前提に基づいて、タイム・マシンを論じた論文はあった。しかし、マレット博士のように、現在の地球上で調達できる部品を使ってタイム・マシンをつくる方法を発見した物理学者はいなかった。
つまり、この本に書いてあることは、人類初の「実用的」なタイム・マシンの原理なのだ。そして、その原理は世界中の重力理論の専門家たちが正しいと認めている。
もうひとつのさらに大きな感動は、マレット博士自身が歩んできた人生だ――。(監修者序文より)