水を描く新鋭・安堂維子里の最新作!
隕石落下によって出来た湖・二十日湖(はつかこ)が抱く、20年前の真実。
湖にねむる“街”と“記憶”。
隕石が落下した街に、20日間雨が降り注ぎ出来た湖・二十日湖(はつかこ)。
そのほとりで移動カフェを営むあおこは、沈んだ街に住んでいたが、隕石落下前の記憶がない。
記憶を探し求め、湖に潜るあおこと、彼女が出会う人々。
ある物を捨てにきた女子高生、20年ぶりに戻ってきた警察官………
そして、隕石落下を疑う保険会社の調査員。
あおこがすくいあげる彼らの想いと、その先にある幼い頃の自分―――
心に優しくあたたかな波紋広がる静かに深い記憶の物語。