1999年にノーベル平和賞を受賞した団体がこれまでに行ってきた活動を、総括的に知ることができる良書である。
「国境なき医師団(MSF)」は、1971年に、さまざまな理由で人道上の困難に直面し、医療を受けられない人々を援助する目的で、フランスの医師とジャーナリストにより設立された。だれからも干渉や制限を受けず、また人種や政治、宗教に関わらず、分けへだてなく医療を届けることを憲章に掲げ、活動を行ってきた。この本は、その40年以上にわたる活動の歴史において、MSFのような人道援助団体が援助活動を行う地域や国において活動しようとする際に直面する、さまざまな事例を、第一部では国・地域別に紹介、第二部では歴史的考察を加えて分析している。