「つむじ風食堂の夜」作者の新たな代表作!
主人公は、「カタリテ」と名乗る小説家。書き出しで行き詰まり、書き続けることができなくなってしまう。そんななか、小説内の登場人物が、痺れを切らして「蝙蝠」に変身しながら新たな話を始めてしまったり、〈南の鞄〉という謎の巨大鞄から生まれた過去形で予言をする「ソボフル」なる人物の壮絶な半生が突如長々と語られ始める。一方、ようやく自ら「語り」を再開させることになった「カタリテ」は、自らの作品世界に入り込んだ後、ひたすら「南」を目指す。そして、〈エッジ〉という名の作中人物や作家たちが集う奇妙な療養所に辿り着くが…。