いつか、父になる、君へ。
売れない青春賛歌ソングや中途半端な人生応援歌の依頼が多く来る作詞家・浅田は、昭和歌謡界の大大御所だった作詞家で父の紀田浅彦の葬儀を終える。
ゴーストライターの稲垣は、紀田の自伝を執筆するため、準備を進めていた。その過程で芽生えたある思いを伝えるため、稲垣は、息子である浅田のもとを訪ねる。
再現ドラマ専門の役者・橋口は、自分が亡き夫を演じたファミレスの女性店員と偶然出会い、彼女と関係を持つ。彼女に好意を抱くが、ある理由から会うのをやめたい、と告げられる。
橋口の離別した父で、全盛期の余力で仕事をこなすイラストレーター美野島は、年若い愛人に依存する日々を過ごしていたが、気になることが起こる。
テレビ局のスチールカメラマン・金森は、局内公募の2時間単発企画にある意図を持って応募する。
微かなリンクを見せていた5つのお話が、金森の企画が採用されたことを機に、「父と子」をキーワードにして、大きな力強い物語として編み直されていきます。
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カバー写真のモデルは鈴木慶一さんです。