17〜19世紀、世界の頂点を極めた清帝国の多種多様、多彩な美術を紹介。
清時代の300年間――とくに康煕、雍正、乾隆帝の三代――は、世界で最も高度な文化と美術が花開いた時代であった。科学技術の進歩、版図拡大による新奇な文物の流入、ヨーロッパの宣教師、芸術家がもたらした、ヨーロッパ文明と、6000年にわたる中国文化とが融合し、空前の到達点を迎えた。 絵画における石濤、■賢をはじめとする四王呉■(王時敏、王鑑、王■、王原■、呉歴、■寿平)、揚州八怪(李■、汪士慎、金農、鄭燮など)の登場、イタリア人宣教師ジュゼッペ・カスティリオ−ネ(中国名 郎世寧)のヨーロッパ絵画の導入、工芸では皇帝自らが好みの製品の製作を指導し、陶磁器、玉、七宝、多宝格(皇帝のおもちゃ箱)などの分野では、極限の美、微細の極致を示す作品が作られた。 建築方面では国際都市北京にふさわしい紫禁城の整備がなされ、■和園、圓明園が造成された。熱河(現承徳)には避暑山荘が造営され、また異民族の宗教関連建築、外八廟や雍和宮が作られ、空前の繁栄が現出した。その絢爛、多彩な清代美術の全貌を鮮明新撮カラーで紹介。
●収録作品9600点以上。地球的規模の美術大全集。
各時代を代表する各品から未知の逸品まで、空前の収録点数を大系化。西洋編全28巻とあわせもつことで地球的な視野から美術史を見わたせます。
●世界中に及ぶ、2500か所以上の新規撮影を敢行。
アジア全域のほかフランスのルーブル美術館、ギメ美術館、ロシアのエルミタージュ美術館など、各国の美術館を取材。世界第一級の美術写真家による撮り下ろしです。
●発掘、修復など、各国の最新の研究成果を反映。
各国の遺跡、文化財調査団や研究者の活動にあわせて取材を展開。従来の学説を変える発見が続く中国など、アジア各国の発掘、修復の成果を迅速に反映させた内容。
●ジャンル別の美術全集にも匹敵する充実の内容。
仏像、陶磁器、絵画、書など各分野の美術全集を凌ぐ内容は、第一級の研究科です。アジアの名作のわかりやすい解説は、より深い海外旅行のガイドとして活用できます。
●最新の印刷技術を駆使。次世代への美のかけ橋。
印刷技術の粋を結集。崩壊の危機に瀕する多くの名作を再現。また、各国の最高の執筆陣による解説・論文を多数収録。
( )内は責任編集者です。
1 先史・殷・周 (高階秀爾/岡村秀典)
2 秦・漢 (曽布川 寛/谷 豊信)
3 三国・南北朝 (曽布川寛/岡田 健)
4 隋・唐 (百橋明穂/中野 徹)
5 五代・北宋・遼・西夏 (小川裕充/弓場紀知)
6 南宋・金 (嶋田英誠/中澤富士雄)
7 元 (海老根聰郎/西岡康宏)
8 明 (宮崎法子/西岡康宏)
9 清 (西上 実/中野 徹)
10 高句麗・百済・新羅・高麗 (菊竹淳一/吉田宏志・)
11 朝鮮王朝 (菊竹淳一/吉田宏志)
12 東南アジア (肥塚 隆)
13 インド(1) (肥塚 隆/宮治 昭・)
14 インド(2) (肥塚 隆/宮治 昭)
15 中央アジア (田辺勝美/前田耕作)
16 西アジア(田辺勝美/松島英子)
17 イスラーム(杉村 棟)